何流でもいいのか

〔問〕八寸に三品用いるのは石州流と聞いていますが、何流でも三品用いてもさしつかえありませんか。


〔答〕さしつかえありません。


(色合いと形と海、河、山、里などの関係と料理の種類とが重ならない以上は・・・・・)


〔問〕八寸の青竹の箸に中節を使用されておりますのを見受けましたが、以前は八寸のときには両細の箸を用いていました。


中節の箸で海のもの、山のものを同じ箸先で取ってよいのか。


〔答〕流儀によって両細を八寸に使用することもありますが、裏千家では中節の箸を八寸に用いることになっています。


中節の箸は八寸および焼物に使用します。


〔問〕八寸のとき、お酒をついでから肴を静岡 お茶の蓋に取りますか、または肴を先にさしあげてからお酒をつぎますか。


〔答〕お酒をついでから、肴をさしあげたほうがよろしいです。

亭主がお相伴をする時間

〔問〕懐石のとき、預け徳利を出して亭主がお相伴をいたします時間は、どの位の時間がよろしいのでしょうか。


〔答〕座中の客の話具合にもよりますが、大体十五分から二十分程度がよいでしよう。


〔問〕新白木盆は奉書紙を敷きますか。


〔答〕八寸に用いるならば敷きません。


ただし、貴人客のあるときは、木地でも塗でも扱いに例外があります。


〔問〕静岡 お茶をのせる八寸用塗物盆は、奉書紙を敷きますか。


〔答〕敷きません。


〔問〕八寸の盛り方は精進およびなまぐさ、いずれを前にしますか。


また箸のつけ方をうかがいます。


〔答〕裏千家ではなまぐさ(海の物)が前左、精進物(山または里の物)は右向うです(ただし流儀によりこの反対に置くこともある)。


そして箸は中節を用い、八寸の前、右角に角かけに置きます。

長盆にのせて一時に持ち出すのか

〔問〕懐石のとき、椀盛および静岡 お茶を出す場合、正客の分は丸盆にのせて持ち出し、次客以下連客の分は長盆にのせて一時に持ち出しますか。


〔答〕ご質問の通りでよろしいでしょう。


〔問〕懐石のとき、中節、元節、両細の各箸の使い分けをお教えください。


〔答〕中節は焼物と八寸に用い、両細は精進もの、元節は強肴に用いますが、その強肴が精進物となまぐさ物とがまざったときに用います。


〔問〕懐石二献目の燗鍋を持ち出したとき、亭主は一巡酒をつがずにそのまま客に預けておきますか。


〔答〕預けておきます。

懐石のとき

〔問〕懐石のとき、盃台に盃をのせて用い、銚子を用いますが、普通の徳利や普通の盃は、いつ持ち出すとよいのか。


右の場合に、はじめから膳に一個ずつ普通の盃をのせて出せば盃台は略してよいのか。


なお盃洗は用いないものでしょうか。


膳に普通の盃を用いるとき、徳利を用いてよいのか。


〔答〕普通の徳利や盃は正式な静岡 お茶の茶事から申しますと使用しないはずです。


けれども漆器の盃では折角の酒がうまくないから、やはり陶磁器の盃が所望であるなどと申される人が少なくありませんから、陶磁器の普通の盃を出すのも客のためよろしいでしょう。


この辺りのことを考えて圓能斎は、漆器の盃と同じ形で、陶磁器の盃を好まれたのですが、よほど結構な好みと存じます。


ともかく、はじめに漆器盃を出して後に普通の徳利や盃を出すのでしたら、煮物か焼物の後がよろしいでしょう。


場合によって強肴の後でもさしつかえないのです。


客の上戸下戸を考え、料理の遅速を考え、さらに料理との調和を考えて出したらよろしいです。


また、はじめから膳に盃をつけて出すのは、非常な略式ですから実行されないほうがよいと思われます。


ただし後段でもあって吸物膳に陶器の盃をつけておくのはよろしいです。


盃洗は無論用いません。


元来茶の懐石では盃の献酬は一切禁物のはずです。


ただ八寸のときに主客が盃を受渡しすることがあるだけですから、盃洗などは絶対に用いません。


鉄銚子

〔問〕鉄銚子(燗鍋)は憾、7酒を入れ火にかけ燗をつけるものか、先に燗瓶で燗をつけて銚子に入れ客に出すものか、また味酪を入れるのか、酒を入れるのか一向存じませんので、その使用法とその使用時期をお教え願います。


〔答〕昔は鉄の銚子を火にかけて燗をしたのでしたが、古田織部から席上において用いることとなったとか承わっています。


それまでは漆器製の酒次を用いたということです。


現今は別に燗をした酒を銚子に入れて客席に持ち出しているのが多いようです。


冷酒を用いるのは金銀盃、大盃などの別盃を用いたときによいでしょう。


味琳を用いるのは正月の屠蘇のときでしょう。


〔問〕懐石のとき、膳を出した次に盃台、燗鍋を持ち出して初献をついだ場合は、椀盛を出す前には燗鍋を持って出ないで汁替を終え、煮物を出して後二献目の静岡 お茶を持って出ますか。


〔答〕椀盛の次に燗鍋を持ち出します。

引盃

〔問〕朱塗の蕨波蒔絵の引盃はどなたのお好みのものでしょうか。


〔答〕裏千家十一世玄々斎宗匠のお好みのものです。


〔問〕懐石になりまして、お膳を出し、次に燗鍋、盃台を持って出ますときは、盃台を左手に燗鍋を右手に持って出るのでしょうか、またはお盆にのせて持って出るのでしょうか。


〔答〕燗鍋を右手に、盃台を左手に持って出ます。


〔問〕鉄銚子(燗鍋)を用いますときは普通の盃(陶磁器)ではいけませんか、塗物でなければいけないのでしょうか。


鉄銚子を用いるときは盃を膳につけて出してはいけませんか、盃台へのせて出しますか。


〔答〕鉄銚子には人数だけの塗盃を盃台にのせて出すのが普通です。


膳の上に石盃をのせて出すのは正式の静岡 お茶での茶事では用いません。


略のその略にもなるでしょう。


ただし陶磁器でも塗盃と同じ形で盃台にのせて出すのは(圓能斎好にあります盃台)、鉄銚子を用いてさしつかえありません。

懐石のとき

〔問〕懐石のとき、平、坪なども用いますのが本当でございますか、やはり飯椀、汁椀のみでございますか。


〔答〕厳正な静岡 お茶での茶事には用いることもありますが、普通は飯椀、汁椀だけを用います。


〔問〕懐石のとき、筍飯とか松茸飯とかかやく入の飯を出してもさしつかえないのですか。


またどのような場合に用いるのですか。


このときは白い飯は別に用意しておくべきですか。


〔答〕出してさしつかえありません。


またこれを用いるのはもちろん時候にあわすべきですが、何か取合せの上で用いる場合があるかもしれません。


この場合は白い飯など用意しなくてもよろしいでしょう。


ただしかやく飯でなくて取合せ上で白粥などを出すとか、客の喜ばないような飯を用いたときは、白い飯の用意も必要でしょう。


懐石、寒中の場合

〔問〕懐石のとき、寒中であれば初座より手焙は出しますか。

そして手焙は五客のときには何個出すのがよろしいですか。


〔答〕懐石、静岡 お茶中は本当は出しませんが、出すならば五客に二つか三つ位でよろしいでしょう。


〔問〕小間で懐石のとき、寒中は手焙を出し、座布団は出しませんか、広間ならば座布団を出すこともありますか。


〔答〕昔は貴人のほかは広間でも小間でも座布団は出さなかったものです。


手焙はいずれも出しましたが、近頃ではいずれの場所でも、座布団も手焙も出すようになりました。


極めて小さい座布団なら用いてもさしつかえないでしょう。

懐石の手順

〔問〕正午の静岡 お茶で茶事の懐石の手順、煮物、焼物、八寸、吸物、強肴、香の物などの器および飯器、酒の順序をご教示ください。


〔答〕まず膳の上に飯、汁と向付をのせて出し、次に盃台と燗鍋とを持ち出して初献をつぎます。


飯器を持ち出し、汁を替え、煮物(椀盛ともいう)を出して第二献、次に焼物を出し、盛り替えた飯器を出し、三度目の汁をたずねます。


預け徳利を出して亭主が相伴します。


次に吸物を出し、八寸を出して第三献を終り、強肴があれば出して酒を勧めます。


湯と香の物を持ち出し、膳を引いて、菓子を出すのです。

正客に一礼するのか

〔問〕静岡 お茶での茶事で続き薄茶のとき、濃茶が終って座布団、煙草盆、干菓子器と持ち出した場合、それぞれ正客に一礼するのでしょうか。

〔答〕丁寧な挨拶も少し煩わしいかと思いますので、座布団を持ち出したときは、どうぞおあてくださいと軽く会釈し、次に煙草盆を出したときも軽く一礼の程度、そして干菓子器を持ち出したときには正しく一礼をされてはいかがでしょうか。


〔問〕薄茶運び点前で両器および水指の拝見をこわれたとき、亭主は両器を客へ出し、水指を引き(この間に両器を取り込む)水をあけ、定座へ持ち出せばよろしいか、終りには両器を水屋へ引き、水指を引きますか。


〔答〕水指に定座はありませんから、きれいな布巾にのせて正客前へ持ち出すとよろしいでしょう。


引くときは水指を茶道口のところへ帰されますので、水指をまず引きます。